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印刷コスト削減のコツと実例

印刷物は、チラシ、パンフレット、名刺、封筒など、ビジネスやプライベートで様々な場面で活用されています。しかし、印刷コストは無視できない存在であり、企業にとって大きな負担となることがあります。特に、販促費としてのコストを削減しすぎる事は、お客様との接点を減らす事にもなり、バランスが重要ですが、総じて印刷コスト削減は、企業にとって重要な課題です。

本記事では、印刷コスト削減の実績を交えながら、以下のポイントについて解説します。

1.印刷コスト削減の必要性
2.印刷コスト削減のポイント
3.印刷コスト削減の実績
4.印刷コスト削減の注意点

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1.印刷コスト削減の必要性


「印刷コスト削減って、なんだか難しそう…」と感じていませんか? 実は、ちょっとした意識で、誰でも簡単に取り組むことができます。


1-1.利益アップに貢献
印刷コストを減らすことは、利益アップに繋がります。例えば、1枚10円の印刷物を年間1万枚印刷する場合、10万円ものコスト削減が可能です。


1-2.企業の負担を軽減
印刷コストは企業にとって大きな負担となります。特に中小企業にとっては、大きな痛手となることもあります。コスト削減は、経営体質の改善にも役立ちます。


1-3.自然環境にも優しい
印刷コスト削減は、紙の使用量削減に繋がり、環境保護に貢献することができます。近年、企業は自然環境への配慮が求められています。印刷コスト削減は、企業の社会的責任を果たすことにも繋がるのです。
印刷コスト削減は、難しい専門知識は必要ありません。ちょっとした工夫で、誰でも簡単に取り組めます。
一緒に、印刷コスト削減で企業と環境に貢献しましょう。


2.印刷コスト削減のポイント

印刷コストは、企業におけるランニングコストの中でも大きな割合を占めます。しかし、ちょっとした工夫で簡単に削減することができます。
本記事では、今日から実践できる印刷コスト削減のポイントを、分かりやすく解説します。


2-1.印刷方法の選び方
オフセット印刷:大量印刷に最適! ロットが多ければ安くなりますが、印刷準備に時間がかかります。
オンデマンド印刷:少量印刷に便利! プリンターのような機械で少し大型なものです。データ入稿からすぐに印刷できます。
デジタル印刷:高品質な印刷にオススメ! 写真や細かい文字もキレイに仕上がります。

※上記は一般的な印刷方法となりますが、
他にも日本の印刷業界には多様な種類の印刷会社が存在します。
もっと詳しく知りたい方は、【印刷会社選定のポイントと印刷会社の種類】という別ブログもご参照ください。


2-2.部数の調整
本当に必要な部数だけ印刷しましょう。
特に複数の店舗や営業拠点へ配布する印刷物は、事前に必要な部数の予約を受け付けておくとムダな印刷を減らせます。
配布後の使用状況の検証を繰り返すことで、配布数の精度の向上と、ムダを排除する社内文化の醸成、過剰在庫の抑止が期待できます。
また、配布数の精度向上は配送に関する手間と費用の削減も期待できます。

例えば、弊社のお客様では「初動の配布数が少ない!」という声が複数の営業拠点から本社に寄せられていたのですが、現地でヒアリングをしたところ、逆に「配布数が多すぎて余ってしまいジャマになっている・・・」という営業拠点もあり、従来の配布部数の決め方を見直しました。


2-3.用紙の選び方
用途に合った用紙を選びましょう。
クライアント向けのパンフレットやリーフレットは厚めのマット紙で高級感を演出し、社内用のマニュアルや研修資料は薄めの上質紙で印刷するなど、上手に使いわけましょう。
特に大量に印刷するアイテムの場合は、費用における用紙代のシェアが大きいです。同じ用紙銘柄でワンランク厚みを下げることを検討しても良いかもしれません。


2-4.複数業者の相見積り
複数の業者から見積りを取って比較しましょう。同じ印刷物でも、印刷会社によって価格が大きく異なる場合があります。
用紙の種類などが分からない場合でも、印刷会社の営業マンに現物を渡せば見積りを出して貰えます。


2-5.ネット印刷の活用
ネット印刷サービスは、対面営業の印刷会社より安価な場合が多いです。
手軽に注文できて、時間も節約できます。

主な印刷通販サイトでは、会員登録をし、クレジットカードや支払条件を決定した上で、自分のIDとパスワードでログインしてから注文する方式です。
発注量の多い法人顧客には、クローズドの専用サイトを用意する場合もあります。クローズド型ECサイトは、ECサイトに入れるお客様しか利用できないため、特定のお客様や企業とだけ取引を行うことができますし、一度注文した履歴からのリピート注文では、再度同じデータを入稿する手間もなく、前回のデータを流用して発注することが可能です。
発送先の登録や選択も、履歴から選択する事ができたりします。

クローズドのため、お客様個人やユーザーのグループに合わせて商品の価格を設定したり、販売できる商品を限定したりすることができます。
優良顧客向けや毎月の注文ロットが多いお客様には、特別に商品価格を変動させたり、掛け率を設定する事もあります。


2-6.印刷後の活用方法
印刷物は、その印刷データも保存しておきましょう。再利用したり、共有したり、環境にも優しいです。
印刷データのワンソースマルチユースのメリットは、一度の作成で複数の媒体に対応できることです。
例えば、同じ画像データをチラシ、カタログ、パンフレット、ウェブページやSNSに使用可能で、時間と労力を節約できます。また、コーポレートブランドでのフォーマット統一や製品情報の一貫性・正確性も保たれます。

これらのポイントを意識すれば、印刷コストを大幅に削減できます。
ぜひ、今日から試してみてください。

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3.印刷コスト削減の実績


参考としてシナジーコミュニケーションズのお客様の印刷コストの削減実績をご紹介します。削減の為のポイントは、
1.管理台帳による情報の蓄積
2.明細見積書の各項目の理解
3.各印刷会社で内製できる案件の整理
4.案件に合致した設備を保有する印刷会社から相見積を取る
5.明細見積書の各項目のコストテーブルの作成・管理・運用
となります。
発注管理業務等の請負いにより1~5を弊社が実施し、印刷コストの管理・削減を行い、ご希望があれば弊社とお取引のある印刷会社への切り替えも行います。
上記のような方法により弊社のお客様の印刷コストは、
1.2億円/年 ➡▲20%
3.8億円/年➡▲13.2%
4億円/年➡▲10%
などの削減実績があります。

5についてお客様が自社で行うことはハードルが高いと思いますが、1~4だけを行うだけでも、より良い印刷購買ができると思います。
以下で1~4についてご説明します。


3-1.管理台帳による発注実績の管理
管理台帳により、仕様(サイズ、ページ数、用紙、色数、部数、納品先等)の履歴を残し、社内で共有することがコスト削減の取組みのスタートとも言えます。
或いは、管理台帳はなくとも印刷会社からの見積書を蓄積し、すぐに確認することができるようにしておけば、それをベンチマークとしてコストの比較ができます。


3-2.明細見積書の各項目の理解
印刷物の見積りは大きく分けて、刷版、印刷、用紙、加工、納品と項目が分かれています。
(いわゆる「一式見積り」ではなく)これらの項目それぞれの費用が明示された見積書を受領し、各項目の内容と積算方法を理解するようにしてみてください。
わからない場合は、印刷会社の営業マンに聞けば説明してくれます。

2022年から2023年にかけての資材・原燃料の高騰以前は、明細の見積書を読み解くことができなくても総額をチェックすれば、費用の比較・確認は十分だったと思います。しかし、諸々の費用が値上りした今、明細見積書を理解し、何がいくら値上がりしたのかを理解していないと、必要以上の値上げを知らず知らずのうちに受けいれる結果になることもあります。


3-3.各印刷会社で内製できる案件の整理
ひと言で「印刷会社」と言ってもその得意分野・設備はさまざまです。
印刷会社の保有する機械を聞いて、それが発注している印刷物の仕様とマッチしているかどうか、という判断を自社でするのは難しいと思いますが、「印刷は内製、加工は外注」「印刷も加工も内製」等の情報収集を重ねることで、印刷物ごとに適した発注先はわかってくると思います。


3-4.案件に合致した設備を保有する印刷会社から相見積りを取る
「3-3」の情報がたまってくると、「A社とB社に向いている案件だな」というのが判断できるようになります。そうすると、闇雲に見積依頼をする手間も省けますし、更に同じ設備でも、A社は製本代が安価だが仕分・梱包等の内職代は高い傾向にある、など各社の特性が見えてきて購買業務がスムースになります。
印刷業界は縦横の繋がりが強いので、自社設備に適さない案件でも協力会社に委託して対応できることが多いです。しかし、設備に合致した案件の相見積りを依頼することでベストプライスに近づくことでしょう。

例として、
・輪転機に適した大部数のパンフレットを、枚葉機しか保有していない印刷会社に発注する
・パンフレットを委託している印刷会社についでに封筒も発注する
・モノクロ印刷機を保有しない印刷会社にモノクロ冊子を発注する
などがあります。

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4.印刷コスト削減の注意点


印刷コスト削減について述べてきましたが、これを追求しすぎると印刷会社に過度な負担を強いることになってしまうこともあります。
どの印刷会社でも「安価な案件だから品質管理の基準を下げよう」という事はないはずです。しかし、仮に、コストに加えて時間的な制約(短納期希望)が発生しますと、人が介在することですので、どうしても品質チェック、基本作業が基準通りに履行されるか、という懸念は生じてしまいます。

では、どのように印刷会社に依頼すればよいか、という事になりますが、下記の4点を抑えた緊密・正確なコミュニケーションが重要です。


4-1.スケジュール
仮予定の段階から、だいたいでもよいのでスケジュールを伝え、スケジュール確定後は依頼主もデータ支給日等の約束を厳守してください。


4-2.仕様
前回印刷物や同仕様・類似仕様の印刷物の現物を印刷会社へ渡すなどして、正確な仕様を伝えてください。仕様が変更になる場合は速やかに伝えてください。
(例えば、8ページから12ページへの変更で、使用する機械が異なる場合もあります。場合によっては、用紙の準備が間に合わない事もあります)


4-3.部数
部数が確定していない場合も、仮部数の時点から情報を共有し、部数確定期限を擦り合わせて、それを厳守してください。


4-4.委託先選定
印刷会社の設備と依頼案件がマッチしているか確認してください。(自社完結案件の方が費用・納期ともに融通が利かせ易いためです)

印刷会社は顧客からの情報をもとに、「3月1日13時~15時に印刷機(1号機)を使用」というように生産ラインを組みます。
そのため、顧客の都合で生産ラインを外す事になった場合は、生産機会を逸し、その分の売上・利益が消えてしまいます。しかし、印刷業界の商習慣として、急なキャンセルが発生した場合も、補填額を顧客には求めていません。
だからこそ、依頼主側からも緊密なコミュニケーションを取り、約束した期日を守り、印刷会社との信頼関係を大切にすることは、コスト削減による懸念事項を払しょくすることの一助となります。

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印刷コスト削減は、企業にとって重要な課題です。
掛かっている出費を抑え、削減した金額を活用し新たな施策の原資とするなど、上記で紹介したポイントを参考に、印刷コスト削減に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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